故郷になる町栗田恵(くりたけい) 東京理科大学 理工学部 海洋建築工学科
東京出身で、都内を転々としてきた私には、故郷と呼べる地がありません。それは、東京の町の更新が風景を塗り替え、町で過ごした思い出を場所ごと消してしまうからだと気づきました。そういった風景を塗り替えず、受け継ぐ建築を提案します。
敷地は私が今住む町、東京都大田区下丸子。町には町工場、商店街、河川敷、公園、神社、銭湯などの風景があふれています。
産業構造の変化や宅地化の影響で、町工場の風景が消えかかっていますが、町工場には技術や空間の魅力がたくさんつまっています。この町工場の空間要素を抽出し、再編して新しい施設にしていきます。
町工場と他の風景を溶け込ませ風景を受け継ぐ建築を設計することで、風景となる場所へ人々を導き、町中に思い出をつくるきっかけとなるでしょう。