2019 千葉県建築学生賞 奨励賞
きっかけの3坪 -小屋を介した行為と風景の観察-塚原諒(つかはら りょう) 千葉工業大学・工学部・建築都市環境学科
完成された住宅街の関係に足を踏み入れることは難しく、ただ玄関を叩き挨拶しただけでは、その地域の関係に馴染むには到底時間がかかる。住宅街の一画の一軒屋のシェアハウスに住み始めて思った。もっと小さな価値観を共有できるようなリアリティのある方法で関係を築くことが現代の複雑化している社会の中の小さな出来事を考える上で大事なのではないかと考え、大きな庭に3坪の小さな小屋を自力施工で制作した。その小屋は一つの建築が立ち上がるまでの全てを教えて、建築の与える周囲の環境への影響力を気づかせるきっかけを作ってくれた。たった3坪ほどの建築を構成する”物”と向き合うことで建築の領域があらゆる分野を横断することをこの作品で感じられたらと思う。