2020 千葉県建築学生賞
私があなたに贈るもの-人生の最期を迎える場所-西村寿々美(にしむら すずみ) 日本大学・理工学部・海洋建築学科
2018年8月17日、私の祖父は亡くなった。死因は膀胱癌。病気が発覚してから約3ヶ月という短い間であったが、衰弱していく祖父を見ながら別れの言葉や感謝の気持ちを伝えることは難しかった。今、病院で死を待つ人たちが多く存在し、孤独に亡くなっていく人や“死”という存在は隠すものになっていく。“死”というものが「見たくない」、「考えたくない」、「悲しいものだ」という当たり前から「自分もこのように死んでいきたい」、「もっと家族との時間を大切にしよう」と思うきっかけをつくる。本提案では、病院の一角や、介護施設ではない、家族や大切な人と人生の最期を過ごすための場所を提案する。