かつて水の都として繁栄を築いた東京の河川は、時代とともに暗渠化を辿り、現在も多くが都市と断絶されている。首都高速道路撤去に伴い、川沿いの再開発が進む日本橋を舞台に、都市と河川の隔たりを無くす建築によって、河川の快適な環境を生かした豊かな都市空間を再興する。撤去後も残り続ける護岸や河川に背を向けたビル群を問題視し、建築を河川へ拡張し、敷地に河川を引き込む操作により、都市と河川をつなぎ、現代の都市における都市機能と親水空間を合わせもつ新たな環境を形成する。また、歴史や景観の集積により建築を構成し、衰退を辿った日本橋の街の活性化を図るとともに、歴史ある橋や街並みに呼応した都市空間をつくる。