2021 千葉県建築学生賞 特別審査員賞
虚構と現実の狭間で馬渕望夢(まぶち のぞむ) 千葉大学・工学部総合工学科・建築学コース
情報や物で溢れかえった現代社会。便利なサービスやテクノロジーの発展により、一時的に人々の心は満たされるが、永続的に人々の心は満たされていない。そもそも幸せや不幸といった概念はその人の心のありようでしか測れないからである。どんなに地位や名声があろうがその人自身が幸せと思っていなければ、その人は幸せでないのである。凄まじい速度で変化していく社会で自分と見つめ直す時間すら取れず、人々の心は疲弊してしまっていないだろうか。そんな人々を建築が〈救う〉ことは可能だろうか。本設計は樹海で自殺志願者がとある建築と出会うことで心が浄化され、生の活力を取り戻す物語である。