表出する感覚

2018 千葉県建築学生賞 奨励賞
表出する感覚 ー歪んだ建築空間ー
小池翔太(こいけ しょうた)
 千葉工業大学・工学部・建築都市環境学科

小池翔太 19世紀末、ただ広いだけの何も無い空間で眩暈や不安感にかられる「広場・空間恐怖症」が流行した。現代はどんな場所でも心地よく安心しきって利用している。私はこの状態を「広場・空間安心症」と呼ぶことにする。「まち」、「歴史」などといったテーブルから抑制されたものは徐々にそのテーブルから落ちてゆき、忘れ去られてゆく。
 私は、歴史の観察者となり、そのまちを探ってゆく。
 どんなに栄えているまちでも、どんなに賑わっているまちでも、人々がないがしろにし、捨ててきた小さな風景や環境は存在する。人々は見て見ぬふりをした。
 私は、忘れ去られた歴史を繋ぎ合わせ、表出させてみる。それは、怖さや、気持ち悪さとは少し違う。置き去りにした記憶が蘇ってくる。私たちの次の行動や、明日を少し変えるような。
 まちに『ささやかな建築を添えて。』

作品シート1

作品シート2

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