2015 千葉県建築学生賞 なの花会賞
時層の誤壁秋山怜央(あきやまれお) 千葉工業大学 工学部 建築都市環境学科
僕が旅で訪れた町は土砂災害により姿を消した。旅から数ヶ月後の出来事だった。その場の風景、感じた空気、お世話になった島民。そこで感じたすべての時間が一瞬の出来事によって消えてしまうなんていうことは今後絶対にあってはならない。
時間は失った時に初めて実感する。奪われた瞬間に失ったものに気付く。突然時間価値が浮上ということだ。そして今までの時間とともに次の時間を生み出すための新しい場所性が作れるか。
この建築は新たに起こりうるかもしれない災害に対し町を守り、島の記憶を刻んで行くものとなる。次の災害が来た時にあの時代の人達はこういうものを用意してくれたのだな、と思われる建築を目指す。