2021 千葉県建築学生賞
潦-湖面を統べる自然の学び舎-田村千空(たむら ちひろ) 日本大学・短期大学部・建築・生活デザイン学科
湖面をすべる自然の学び舎. 地表を流れ、溜った雨水を意味する古語「潦(にはたずみ)」は、庭あるいは俄(にわ)かに夕立(たづ) 水から転じたとされる。建築とは、自然からの支配を人々が忘れるための手段に過ぎない。潦の様態のように「人が自然に支配されるための建築」をつくることで、自然と建築との調和をもたせないだろうか。 ここは、建築のワークショップを軸としたセミナーハウスである。その一部は、河口湖畔をめぐるプロムナードと連続している。季節ごとの湖面の水位変動によって、プロムナードとワークショップの場が変わりゆく潦となり、湖面を統べる場となる。自然から支配された建築における人々の思索こそが、自然と建築の新たな調和を見いだしていく。