2023 千葉県建築学生賞 最優秀賞 / JIA全国出展作品
シン・旦過市場 再生計画津留悠真(つる ゆうま) 日本大学・生産工学部・建築工学科
大正時代に生まれ,北九州の台所として親しまれている旦過市場はセルフビルドによって拡大してきた。カオスな雰囲気が漂う場所であるが,数多の災害に見舞われ現在再整備が計画されている。本計画では中長期的視座をもち,スケルトン・インフィルの概念を用いることで特有の文脈の継承を試みる。
まずは,地区全体の更新計画として河川の拡幅,計画敷地の設定。同時に仮営業地も準備した。次に1辺8mの立方体の中に「疎」「密」それぞれのスケルトンを設計し回転させ繋げていく。その際,現地のリサーチから本質的に重要な要素を抽出しデザインする。こうしてできる大きな「スケルトン」に入居者それぞれが「インフィル」を挿入していくことで,店舗ごとの個性が表出する。増改築が繰り返されるうちに人間臭さあふれる旦過市場が継承されていく。