2019 千葉県建築学生賞 特別賞
カタチのアラワレ -動きのカタチの存在とそれに基づく設計-町田忠浩(まちだ ただひろ) 千葉工業大学・工学部・建築都市環境学科
私達の日常は目に見えないカタチで溢れている。しかし、スマートフォンの登場により日常の多くの動作は「画面をタッチする」という動作に置き換えられ、私達の生活は便利で合理的に、しかし、単調で抑揚のないものになってしまっている。今回、モノを扱う動作それぞれに「動きのカタチ」が存在すると仮定する。それをE.J.マレの実験により、動作の軌跡を記録し、目に見えるカタチに現し、空間化のプロセスを経て、建築に成る。これによってできた建築は狭く、非合理的なものであるが、人とモノと建築の距離を近づけ、一つのモノを扱う動作をより研ぎ澄ませ、感じさせてくれる。スマートフォンで調べればなんでもわかる今の時代に、なんともいえないようでなんともいえるようなカタチをもつ建築が様々な場所に現れることで人々の中に謎を生じさせる。そして、空間内での動作と場所が結びつき、場所を超えたカタチがアラワレ、人々に問いかけていく。